内科

内科について

内科では、風邪や発熱、腹痛などの日常的な身体の不調から、高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の治療まで、多岐にわたって幅広い診療を行っています。
当院では、地域のかかりつけ医として、患者さんがお気軽にご来院することができる雰囲気づくりや丁寧な診療を心がけています。
何かご不安な点が少しでもございましたら、お気軽にご相談ください。

よくある疾患

  • 風邪
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 高尿酸血症(痛風)
  • 骨粗鬆症
  • 不眠症
  • 逆流性食道炎
  • 慢性胃炎 など

風邪

風邪は、鼻や喉からウイルスなどが感染することで、咳や喉の痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、声がれ、発熱などを引き起こします。原因の8090%はウイルスですが、その他にも細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどもあります。風邪を起こすウイルスは数百種類が存在すると言われ、毎年のように新たな型のウイルスが出現します。成人の方は平均で年に23回、お子様ではそれ以上繰り返し風邪を引いてしまう理由はこのためです。インフルエンザなど一部のウイルスはワクチンで予防したり、薬で治療が行えますが、一般の風邪ウイルスに対しては特効薬がないため、症状を緩和する治療が主体となります。

詳しくはこちら

風邪の原因と検査

主な風邪の原因と特徴は下記になります。また、当院では迅速検査に対応しているものもございますので、風邪を引いた際には、お気軽にご相談ください。

原因 特徴 迅速検査
インフルエンザウイルス 発熱・関節痛・筋肉痛・頭痛などの症状が現れます。
内服薬・吸入薬・点滴で治療します。
あり
RSウイルス 鼻水・咳などの気管支症状が現れます。
乳児に感染すると重症化することがありますので注意が必要です。
あり
※保険適用は1歳未満になります。
ライノウイルス 風邪の原因として最も多いものです。
春と秋に流行が集中します。
-
パラインフルエンザ
ウイルス
特定の風邪症状が現れます。 -
アデノウイルス プール熱やはやり目の原因として知られるウイルスです。
喉や目に症状が現れやすく、夏に流行します。
あり
コクサッキー
ウイルス
手足口病やヘンパンギーナの原因として知られるウイルスで夏に流行します。 -
ヒトメタニューモ
ウイルス
症状はRSウイルスに似ていますが、乳児に感染すると重症化することがあります。36月に流行します。

あり(院内施行なし)
※保険適用は6歳未満で肺炎が疑われる場合に限ります。

抗生剤の適正使用

上記のように、原因の89割がウイルス感染である風邪に対しては、抗生剤を使用してもあまり効果はない上、耐性菌も引き起こす可能性もあります。一方で、風邪によく似た症状の細菌感染の中には抗生剤による治療が必要なものも一部存在します。
ウイルス感染と細菌感染を区別するには、血液検査や、迅速診断検査法などの検査が有用です。迅速診断検査法は、「インフルエンザ」「溶連菌」「アデノウイルス」「RSウイルス」などを515分程度で特定することが可能となっています
当院では耐性菌のリスクを考慮して、基本的に風邪ウイルス感染に対しては抗生剤を処方しておりません。ただし、細菌感染の可能性がある場合は、症状や経過に応じて血液検査や迅速診断検査、エックス線検査を行い、症状が細菌感染によるものと疑われた場合には、抗生剤を処方します。

原因 特徴
溶連菌

「喉風邪」の症状を起こす感染症で、大人からお子様まで発症します。
適切に治療しないと繰り返し再発するため処方された抗生剤は最後まで飲み切るようにしましょう。

溶連菌迅速検査にて診断します。
細菌性肺炎

原因菌として肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、マイコプラズマなどがあります。

エックス線検査や血液、喀痰検査で診断を行い、それぞれの原因菌に対応した治療薬を選択します。
マイコプラズマ

激しい咳を引き起こす特徴があり、家族内感染によるものが多いです。長引く風邪の原因となっていることもあります。

診断には血液検査に加え迅速検査もあります。
百日咳

言葉通り、長期にわたって咳が長引くことが特徴です。
症状を悪化させないためにはなるべく早期に治療することが重要です。

診断には血液検査を行います。
副鼻腔炎

風邪症状に加え、発熱や頭痛、副鼻腔叩打痛(頬や眉間をたたく痛み)を発症します。

発症時期(急性と慢性)や原因(好中球性と好酸球性)により治療法が異なります。

生活習慣病

高血圧

血圧が常に正常値以上に高い状態が高血圧です。高血圧状態が続くと、血管が常に強い圧力を受けることで動脈硬化を起こし、その結果、脳血管障害や心不全など重篤な疾患に繋がる恐れがあります。日本では高血圧の方が多く、4074歳の男性の60%、女性の40%が高血圧の状態であるとされています。治療法は、降圧剤の内服と生活習慣の改善です。最初は生活習慣を改善しつつ降圧剤を服用して徐々に血圧を下げ、次第に降圧剤の服用を止めて生活習慣の改善をメインに血圧をコントロールしていくことが理想です。高血圧とは、病院で血圧を測定した際、収縮期(上)が140mmHg以上、拡張期(下)が90mmHg以上である状態です。しかし、血圧が正常な方の中にも早朝型高血圧の恐れがある方がいることや、診察室の限られた時間の測定では不確実性もあることから、近年ではご家庭内において毎日ご自身で時間を決めて測定する家庭血圧が一般化してきました。そのため40歳を超えたら、ぜひご自身で毎日血圧を測定する習慣をつけて、血圧をコントロールしましょう。

糖尿病

糖尿病は、体内のインスリンというエネルギーの源であるブドウ糖を分解するためのホルモンが何かしらの原因によって不足する、またはうまく機能しなくなることで、血液中のブドウ糖濃度が高くなってしまう疾患です。血中のブドウ糖濃度が高まると、血管が狭くなって詰まりやすくなり、腎臓や網膜、神経など様々な器官で合併症を引き起こす可能性も高まるため、適切な治療が必要になります。
なお、糖尿病はインスリンの産生不良の1型と、インスリンの活動不良の2型に分類され、日本では95%が2型の糖尿病となります。2型の糖尿病は中高年に多く発症し、生活習慣の乱れが主な原因と考えられています。診断は血液検査や尿検査などで行いますが、血糖値は直近の食事の影響で上下することもあるため、近年では、当日の食事の影響を受けない血液中の酸化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)の数値を重要視するようになりました。なお、一度糖尿病になると完治することはできません。よって、2型の糖尿病と診断された際には、生活習慣を改善することを心がけ、合併症を起こさないよう対処することが大切になります。

脂質異常症(高脂血症)

健康診断の血液検査などに出てくる中性脂肪やコレステロールという数値は、血中の脂質濃度を表す指標です。血中の脂質濃度が高まると、血管に負担がかかるとともに、血管内部に脂質が蓄積して動脈硬化を起こし、脳血管障害や心不全など重篤な症状を引き起こす可能性もあり、注意が必要です。
これらは肥満体質との関連性が高いため、まずは生活習慣を見直し、食事の改善や運動習慣を身につけることで適正体重に戻していくことが大切です。食事や運動による生活習慣のコントロールがうまくいかない患者さんに対しては、薬物療法を行います。

高尿酸血症

尿酸は、身体を動かすのに必要なプリン体という物質が分解されることで生まれる代謝物です。プリン体の多くは肝臓で分解されて尿酸となり、最終的には尿や便として排泄される仕組みとなっています。しかし、何らかの理由で、尿酸が過剰に生産されたり、うまく排出できなくなると、血液中に尿酸の含有量が増加していきます。この状態を高尿酸血症と言います。はじめのうちは自覚症状がないため気付きづらいですが、ある時点で尿酸の量が限界値に達すると、尿酸が結晶化して関節などの中に蓄積されるようになり、突然激しい痛みを伴うようになります。この状態が痛風です。
痛風は放置すると、やがて全身に広がって様々な関節に障害を起こし、尿路結石や腎障害などを併発する可能性が高まります。さらに痛風を発症している患者さんは脳血管障害や心筋梗塞などの合併症を引き起こすことも多いため、尿酸値が高いと指摘された方は適切な治療で尿酸値を下げていくことが大切です。
主な治療法は、薬物治療によって尿酸値を下げていくと同時に、プリン体の多い食事や飲酒などを控えるなどの生活習慣の改善を行なっていきます。なお、過剰な運動はプリン体の分解を促進して尿酸が増える原因となりますので、運動を行う際には軽度なものにとどめ、激しい無酸素運動などは行わないよう、注意しましょう。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は、何らかの原因で骨を構成する組織が弱くなり、骨がもろくなってしまう疾患です。
以前は高齢者に多い疾患でしたが、近年では、過度なダイエットなどによって、若い女性などにも発症する傾向があります。偏った食生活などに不安のある方は、一度ご相談ください。
当院では、2型糖尿病や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ぜんそくでステロイド治療を行っている方に対して、骨密度検査をお勧めしております。また、精密検査(DEXA)をご希望の場合は、当院と提携している医療機関にて検査を受けて頂くことが可能です。主な治療法は、活性型ビタミンD製剤やビスフォスフォネート製剤などを使用しつつ、生活習慣を改善するために運動療法や栄養療法と組み合わせていただくことで、より効果的に治療を行なっていきます。

名古屋市では、40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳の女性の市民の方を対象に、無料で検診を行なっておりますのでぜひご利用ください。

名古屋市
骨粗しょう症検診

不眠症

睡眠は肉体的、精神的に身体を回復させる上で大切なものです。しかし、現代社会はストレスなど様々な外的要因の影響で、健全な睡眠を継続的に取ることが難しいという現状もあります。体は疲れているのに眠れない、眠っても眠りが浅くて熟睡できない、寝ても短時間ですぐに目覚めてしまうなどが主な不眠症です。
長期的に睡眠不足に陥ると、肉体的な休息が取れずに不調を来すだけではなく、精神的にも様々な問題を引き起こします。
不眠症は睡眠薬による治療が可能です。当院では、「オレキシン受容体拮抗薬」や「メラトニン受容体作動薬」など、なるべく依存性が低く睡眠耐性を起こしにくい薬を中心に治療を行い、症状の経過とともに徐々に薬の量を減らしていき、長期的には睡眠薬を中止した状態で不眠症を解消できるよう、治療を行なっていきます。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、食道が炎症を起こしている状態です。食べたものは食道から胃へと運ばれますが、この一連の流れは、食道の蠕動運動と胃の入り口にある噴門という逆流を防ぐための弁の働きによって行われます。しかし、何らかの原因により、これら食道の蠕動運動や胃の噴門が異常をきたした場合、一度胃へと運ばれた物や胃液などが、再び食道へと逆流することがあります。胃の内部は強酸性の胃液に耐える仕組みをもっていますが、食道はこの仕組みを持っていないため、一度胃に入ったものが食道へ逆流すると、食道が炎症を起こしてしまいます。これが逆流性食道炎です。主な治療法としては、内服薬によって胃酸の働きを抑制するといった、薬物療法が中心となります。

慢性胃炎

慢性胃炎は、胃の粘膜の炎症が長期間続いている状態です。炎症を起こす原因として一番多いのがピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染によるものです。その他の原因としては、薬物の副作用、食べ過ぎ、飲み過ぎ、喫煙、ストレスなどが挙げられるほか、自己免疫疾患に分類されるA型胃炎、クローン病による胃の炎症なども考えられます。慢性胃炎では、胃粘膜が傷つくことによって、胃痛や胃部の不快感などが起こります。また炎症によって胃の運動機能も低下し、胃もたれ、胸やけ、げっぷや呑酸(すっぱいげっぷ)、膨満感などが起こり、食欲不振に繋がります。 慢性胃炎を放置することによって、胃がん発症にリスクが高くなることがわかっています。

地域の「かかりつけ医」

体調が悪いけれど、どこが悪いのかはっきりしない、あちこちに症状があって何科を受診したら良いか分からない、健康に不安があってしっかりと調べてもらいたい、などというお悩みを持つ方は多いと思います。
こうしたはっきりとしない健康への不安なども含め、何でも相談できて、適切な診断と治療を行い、高度な医療や検査が必要な場合は、そういった設備を備えた医療機関へと紹介し、スムーズに診療を受けられるようにするために、身近な地域で「かかりつけ医」が必要です。
当院もこうした考え方にもとづいて、急性疾患の治療や慢性疾患のコントロールだけではなく、地域の皆様が気軽に相談できる医院を目指していますので、何か不安なことがありましたらお気軽にご相談ください。